こんにちは。e-Educationフィリピン担当の秦大輝です!フィリピンの首都マニラのスラム街に住む高校生たちに大学受験対策の映像授業を提供するため、日々走り回っています。
国内最高の先生探しの交渉がうまくいかなかったことは前回の記事でご紹介しました。今回はその続きを書き綴りたいと思います。
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フィリピンサイエンス高校って知ってる?
藁にもすがる思いで、知り合いにいいアイデアがないかと、一斉に助けを求めるメッセージを送りました。その中で返ってきたメッセージが以下のもの。
「フィリピンサイエンス高校って知ってる?知り合いいるから紹介するよ!」
一筋の光でした。もちろん、フィリピンサイエンス高校は知っていました。
国内ダントツ1位の進学校で、国内最高峰のフィリピン大学への合格率99.2%。日本で例えたら、開成と桜蔭を足して、2で割らずに、公立にしたような高校でした。
ただ、日本の公立高校のイメージから、あまりこういう事業に協力をしてくれるイメージがなかったので、正直期待はできていませんでした。
しかし、もうこれしかない。今の僕のできることは1つ、この高校にかけてみることしか残っていませんでした。
独特の雰囲気でのプレゼン
1週間後、フィリピンサイエンス高校のロビーで、教務課の責任者の先生を待っていました。
上手くいくわずかな可能性にかけている反面。相手にしてもらえない。期待して裏切られたくない。そんな複雑な感情で先生の登場を待っていました。
「君がハタさん?今日立て込んでて忙しいから、手短かにね。」と、現れたのは教務課のジョセ先生。
いつものフレンドリーなフィリピンの人の印象ではなく、あまり笑顔なくシリアスな感じの風貌。忙しさがにじみでていました。いつもと違う緊張感を僕は感じていました。
簡単な挨拶をして、緊張のプレゼン。真剣な眼差しの先生。事業を説明して、今困っていること、なかなかうまく行かない現状。そして先生の協力を得たいことを率直に伝えます。
「貧しい子どもたちのチャレンジを応援したいんだ!・・・」
先生は、じっと考える様子。しばらく沈黙が続く。ああ、今日も無理か。
やっぱり期待しすぎなくて、良かったな。勝手に自分の中でそう思っていました。
すると「分かった。協力するよ。俺に何ができる?」と一言。
まさかの回答。予期せぬ展開でした。先生紹介の依頼をしてほしいとすぐ言いました。すると、
「分かった!! 今日は忙しいからちょっと待ってて。」
ジョセ先生はそう言って、次の予定に向かっていきました。
心温まる先生からの想い
家の帰り道、お礼メールと先生の紹介を忘れないように、ジョセ先生に送る。するとこんなメールが。
今日は忙しくて、あまり時間割けなくてごめん。自分たちの国のために努力している君の姿を見て、感動したよ!僕の国のためにありがとう!実は僕も若い時、海外で一人で努力した経験がある。君の気持ちが良くわかる!だから応援したくなったんだ。
そんなメッセージとともに、フィリピンサイエンス高校の最高の講師の連絡先もついている。
「彼らには僕の方から連絡をとってある。みんな協力してくれるって!」
鳥肌が立ちました。プロジェクトが進まなかった時間は2ヶ月近く。その日々のつらさや悩んだ時間を思い出していました。
そして、先生の優しさ。自然と目頭が熱くなっていました。
ついに国内最高の先生4人と契約へ
「以上が契約書になります。何か質問ありますか?」
ちょっとした質疑応答の後で、先生方はサインを書いていく。その姿はまさに2ヶ月探し求めたものでした。
目の前には、フィリピンの国内最高の先生4人が頼もしい表情で立っていました。
ここまでのつらさが浮かび上がります。つらくても、辞めなかったこと。無理だと思っても足を止めなかったこと。自分で自分をほめたくなりました。
ついに、ここまできた。そう思いました。
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